2012年11月4日日曜日

D. A. ノーマン『誰のためのデザイン?』


良いデザインとは、「あたかもその場面で唯一正しいものだけが利用可能であるかのように思えるようになっている」デザインである。そのためには、(1) ユーザが何をしたらよいかわかるようにしておくこと、(2) 何が起きているのかをユーザにわかるようにしておくことが重要である。

目次        

毎日使う道具の精神病理学
日常場面における行為の心理学
頭の中の知識と外界にある知識
何をするかを知る
誤るは人の常
デザインという困難な課題
ユーザ中心のデザイン

2012年10月26日金曜日

原沢伊都夫『日本人のための日本語文法入門』


日本語教師が書いた日本語文法についての新書。うまく整理されていて4時間ほどで読めた。肝は自動詞と他動詞。自動詞は自然中心(なる)、他動詞は人間中心(する)。文法に埋め込まれた文化を知るための、最初の一冊におすすめ。日本語の主語についての卒論を書く前に読みたかった。


目次        
  1. 学校で教えられない「日本語文法」
  2. 「主題と解説」という構造
  3. 「自動詞」と「他動詞」の文化論
  4. 日本人の心を表す「ボイス」
  5. 動詞の表現を豊かにする「アスペクト」
  6. 過去・現在・未来の意識「テンス」
  7. 文を完結する「ムード」の役割
  8. より高度な文へ、「複文」
参考文献
金谷武洋 (2006) 『英語にも主語はなかった』他

ハイライト     

■3 「自動詞」と「他動詞」の文化論
  • 自動詞は自然・話題・出来事全体把握中心(なる)、他動詞は人間・主語・動作主中心(する)

2012年10月21日日曜日

古賀史健 『20歳の自分に受けさせたい文章講義』


「書くことが見つからない!」と悩む人へ。
「もしあのとき知っていたら!」と思ったら、その情報を「知らなかった頃の自分」に向けて書こう。

目次        

ガイダンス その気持ちを「翻訳」しよう
第1講 文章は「リズム」で決まる
第2講 構成は「眼」で考える
第3講 読者の「椅子」に座る
第4講 原稿に「ハサミ」を入れる

ハイライト     

ガイダンス その気持ちを「翻訳」しよう 考えるために書きなさい。
  • 「書くこと」のすべてを機械に任せる時代がくることはあり得ない。
■第2講 構成は「眼」で考える
  • 文章のなかに、主張、理由、事実の3つをいれ、それらを連動させる。
■第3講 読者の「椅子」に座る

  • 「もしあのとき知っていたら!」と思ったら「知らなかった頃の自分」に向けて書く。
  • 平易に説明せよ。年の離れた相手(たとえば自分の親)に伝わるか?
  • わかったことだけを書く。
  • 読者が求めるものは、眼からウロコ(主張)、背中を後押し(理由)、情報収集(なるほどの事実)
■第4講 原稿に「ハサミ」を入れる

  • 何を書くかではなく、「何を書かないか」を考える。
  • 「もったいない」は禁句。
  • 言葉で反論しなければならないのは、言葉が足りないから。

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